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理学療法士が考える子供の成長

はじめまして。FCドラッツェのコーチ兼トレーナーの高井直樹です。私は小中学生年代の選手の指導をさせて頂きながら、理学療法士として怪我のケアやリハビリなども担当しています。

理学療法士と言えば病院で働くリハビリの先生として認知されていますが、理学療法士とはどんな仕事をしているか簡単に説明させていただきます。

理学療法士は身体機能の改善や様々な動作を取得させるために、医学的な根拠に基づいた治療を行う職種です。当然ですが身体の様々な機能や構造、そのために必要な治療手技などを勉強しています。これらの治療対象となるのは病気やケガによって失われた機能や動作のみではありません。人間が産まれてから始まる発達の過程においてもほぼ同様の事が適応されます。子供でも高齢者でも“どうしたら歩けるようになるか”、“どうしたら体が自由に動かせるようになるか”という同様の課題に対して、理学療法士は根拠を持って訓練(練習)を提供する事が得意と言えます。大げさではありますが、“運動のプロ”として理学療法士の知識を生かしながらドラッツェの活動に関わらせて頂いています。

今回は、理学療法士である私が何を考えて日々の練習メニューを作り、どのような視点で選手たちを見ているのか、またその根拠についてお話させて頂きます。

最初に“大人”と“子供”の違いを考えます。ここでは簡単に、“大人=体も心も完成された状態”、“子供=体も心も発達段階”として捉えます。子供は大人のミニチュアではないとよく言われますね。

例えば赤ちゃんは、歩くことや箸を使う事、ルールを理解する事などはできません。幼児になると走ったり、ボールを蹴ったり、ルールを守ることなどができる様になり、小学生や中学生では概ねそれらが発達し、完成していきます。

この様に色々な要素が成長と共に発達していきますが、これらの要素すべてが同一に発達するわけではありません。幼児や小学生では個人差が特に大きいですが、一般的に“どのタイミング”で“何が発達するのか”はある程度決まっており、子供たちと関わるために必須の知識であると思っています。

出生から始まる発育具合を示した、スキャモンの発育曲線と呼ばれるグラフがあります。ここでは一般型(骨や筋肉)、神経型(脳や目、耳などの感覚器)、生殖型(生殖器など)、リンパ型(リンパ組織、免疫など)の4種類に分類され、それぞれがどの時期によく発達するか示されています。

一般型:生まれてすぐと、12歳ごろに成長のピークが2回。
神経型:生まれてすぐから12歳ごろまでに大人と同等まで発達。
生殖型:12歳ごろから急激に発達。
リンパ型:12歳ごろをピークとして徐々に低下。

共通していることは、思春期を過ぎるまでに様々な要素が急激に発達するタイミングがあるという事です。この知識を理解して、次のケースを考えてみます。

小学1年生の選手を思い浮かべてみましょう。“インサイドキック”と呼ばれる靴の内側(土踏まず側)でボールを蹴るキックの方法があります。ほとんどの1年生は強いインサイドキックはできません。

なぜできないのか、理由を考えてみましょう。いくつか例を挙げてみます。

1.足の筋肉が足らない。
2.インサイドキックの姿勢が作れない。
3.股関節が硬い。
4.ボールをよく見ていない。
5.体力がない。
6.サッカーが好きではない。やる気がない。
7.インサイドキックが何かわからない。
8.強いインサイドキックができていると勘違いしている。など

上手くできない原因の全てを直せば、当然強いインサイドキックはできるようになります。しかし、全ての問題を解決する為には時間もかかりますし、全てを同時に解決しようとしても1年生には難しいでしょう。ここで参考にすべきは先ほどのスキャモンの発育曲線です。

このグラフによれば小学1年生、7歳では神経系の発達が著しい時期にあります。反対に筋肉の発達は生まれてすぐと、12歳ごろに発達が著しいですが、7歳では著しい発達は期待しにくい事がわかります。つまり、この1年生の選手は神経系の発達が速やかに期待できる状態にある為、神経系の問題に対する指導をしてあげる事が必要になります。またその反対に筋肉の発達(筋肉を太くすること)はもう少し後回しにする方が効率的とも言えます。

このケースであれば神経系の発達を促すようなトレーニングが効果的であるため、練習メニューに組み込みます。練習の様子を見ながら、神経系の発達が得られているか、得られていないかを観察し、細かく練習メニューを変更していきます。

このように、選手一人一人の問題点を細かく考え、今どの能力が効率良く成長するか、また最大限に発達していくものかを考えて練習メニューを準備します。これらを繰り返すことで子供たちは驚くほどの成長が期待できます。もちろん個人差や例外があるため、一律にこの練習さえやっていれば良いという答えはありません。想像を超える成長をみせてくれる選手もたくさんいます。子供たちの成長をよくするためには、周りの大人たちが正しい知識をもつことが必須といえますね。

理学療法士である特色から、このような視点を持って普段の練習メニューを考え、選手たちの成長を見ています。今回は簡単な概要のみのお話となりましたが、今後はもう少し踏み込んだ内容も書かせていただこうと思います。ありがとうございました。
一般社団法人<ruby>FC DRACHE<rt>エフシー ドラッツェ</rt></ruby>

一般社団法人FC DRACHEエフシー ドラッツェ

岐阜県各務原市のサッカークラブチーム

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